今年のお天気はメリハリがすごいですね。
雨ばかりの梅雨、いきなり高温の夏、かと思うと急に 寒くなった秋。体を慣らすのが大変でしたが、皆様は体調管理は大丈夫でしょうか?
ひんやりした空気が気持ち良い午後、森の散歩に出かけました。そろそろ木々も色づいて秋の気配が濃厚です。お目当てはキノコ。
森の中、慣れない目にはなかなか見えてこないキノコですが、見えだすと面白いように目に飛び込んできます。うっとりするようにきれいなものから、ちょっと気味の悪い物も。
でも出来るだけ、先入観抜きにして観察します。
まずは童話の世界のような苔の森の小さな小さなキノコ。切り株の上や大木の幹になんとも可愛らしいワールドが広がっています。苔が森のようで美しい!
じっと見ていると緑あふれる空間に点在する家のように見えてきます。
こんな住空間、憧れです。
広げた手よりずっと大きい、これもまたキノコ。
対照的に小さいキノコはこちら。直径は5ミリくらい。
小さな世界にこんなに美しいキノコがあるなんて!
クラゲの世界を思わせる、ハッとするほど可憐な白い半透明のカサ。
あとで調べたら「キツネノハナガサ」というキノコだそうで、たった1日で消えてしまう儚い壊れやすい命だそう。
こんな完璧な姿で二つも現れたところを写真に撮れるなんて幸運でした!
見えますか?葉っぱの端っこのギザギザから水玉が吹き出しています。その美しさは宝石の比ではありません。
写真家・埴沙萌(はに・しゃぼう)さんの DVD「足元の小宇宙」では、このセンジュガンビから水玉が吹き出る素晴らしい動画を見ることができますよ。「足元の小宇宙」というタイトルも素晴らしいですよね。まさにそう。キノコの美しい世界も必見で、自然好きの方にはオススメしたいDVDです。
これはウバユリの種です。
見たことありますか?
なんて美しい!の一言。この美しさと小さな空間に何千枚もがきちんと納まった 機能性に感動! 機能美、とはこう言うことなのだ、と一人で「ガッテン」。
そこここに自生するトリカブトはこちら。
猛毒の植物として知られていますが、花をよく見ると美しいで す。
画像はありませんが、チョンと押すとホコリ(菌糸)が吹き出す愉快なホコリ茸も点在していました。
ところでこれらの写真のキノコの中に、一つだけ食べられるキノコがあります。
どれでしょうか?
それは冒頭の毒々しい色の卵茸。
卵の殻から生まれたような真っ赤な卵茸、白い卵が地面から生えて中から真っ赤なキノコが現れます。見ているうちにニョキニョキと。
イタリアではオーヴォリ “Ovoli” といって、とっても珍重されるキノコです。
今日は採れたよ!という日はレストランの前にキノコが飾ってあります。
森に生えている様はまるで、真っ白い卵が生えてきたかのようで、卵の殻が割れて中から真っ赤なキノコがムクムクと出てきます。
派手な色のせいで日本ではあまり好きな人がいないかもしれませんが、イタリアでは松茸級の貴重さ。 神様の食べものとして古代ローマ時代から珍重されています。
テングタケ科で生食できるのですが、そっくりな毒キノコ「ベニテングタケ」「タマゴダケモドキ」があるので採取して食べるときは専門家の意見を必ず聞きましょうね。
ヨーロッパだけでなく、森の恵みが豊富なこの日本にも自生しているんですよ。先日長野の知人からいっぱい採れたからと箱いっぱいの卵茸が送られてきました。
ピッと裂いて オリーブオイルとレモン、ちょっと塩を振ってすぐに食べましたよ。
こうして食べるとサクサクでりんごのよう。意外でしょう?