空は高く澄み渡り、すっかり秋の気配です。
すこし肌寒くなるこんな季節には、本を片手に、暖かい飲み物を飲みながら、家の中でゆっくりと過ごします。
そんなリラックスタイムに私がよく飲んでいる飲み物があります。
名前を「まこも茶」といいます。
『鬼滅の刃』のあの子も…
“まこも”…ん?なんだか聞いたことがある名前だな?という方も多いのでは?
そうです、今、大人気のアニメ『鬼滅の刃』で、主人公・炭治郎が鱗滝の元で修行しているとき、錆兎(さびと)と共に突如として現れた、狐のお面をつけた謎の少女の名前、それが「真菰(まこも)」でした。
作者がなぜ“真菰”と名付けたかは定かではありませんが、アニメのおかげで、大人から子どもまで沢山の方が「真菰」という名前を知ったのではないでしょうか?
真菰(まこも)とはどんな植物?
さて、本題に戻りましょう。
まこもとは綺麗な水辺にしか生息しない全長1〜2メートル以上にもなるイネ科の植物。主に、日本や東南アジアに多く生息しています。
まこもにはとても面白い特製があり、水質の浄化に優れていて、霞ヶ浦や琵琶湖ではまこもを生息させることで水質浄化をしているのだとか。
また「神が宿る草」と言われていて、多くの神社の御神体などにも使われています。有名なところだと「三重県の伊勢神宮」「島根の出雲大社」などのしめ縄にも使われているそう。
更には、その昔から、まこも茶を飲むことで、血液の浄化や体の毒素を排出する効果があると言われていました。また、まこも茶でうがいをすることで、歯痛を緩和させたり、赤ちゃんのおむつかぶれやアトピー緩和などにも使われていたとか。
聞けば聞く程、知れば知るほど興味がわく植物、それが「真菰」です。
普段は茎や葉があらかじめ焙煎されている「まこも茶」を飲んでいるのですが、9月〜11月のこの時期は、まこもの根元に出来る肥大した茎の部分、通称「マコモダケ」ができ、それが生で食べられるとのこと。
それはぜひ食べてみたい!ということで早速頼んでみました。
旬のマコモダケを食べてみよう
シャキシャキとして、それでいて柔らかい、タケノコとエリンギを足して2で割ったような食感です。味はヤングコーンのような甘味を感じます。
新鮮なうちは生でサラダでも食べられます。
火を通すとさらに甘味が増してきますので、炊き込みごはんやお味噌汁も美味しいところ。
また、油との相性もいいので、天ぷらやきんぴらなどもおすすめ。
とにかく、和洋中どれで食べても美味しいのです。
我が家では、天ぷら、きんぴら、お味噌汁、サラダを作って、たっぷりと旬の味を堪能しました。
子ども達も大変気に入ったようで「また食べたい!もっと食べたい!」と催促されるほど。
しかしこのマコモダケが食べられるのは“今だけ”なのです。
スーパーで何でも手に入る昨今、“今”しか手に入らない食材というのは一見寂しいようですが、反対に考えれば、今ここにある季節をしっかりと楽しむことができるということ。
来年の今頃に想いを馳せたりして、なんだか遠くない先の未来がとてもわくわくした楽しいものにかわるということでもありますね。
皮や茎を使ってお茶を作ってみました
さて、せっかくなので、調理の際に出たマコモダケの皮や茎でお茶を作ってみました。
ざるの上に並べて風通しのよいところにおいて乾燥させます。乾燥したら鉄のフライパンで静かに煎って、香ばしい香りがしてきたら出来上がり。
ティーポットに、煎ったものを入れ、お湯を注いでしばらく待ったらできあがり。
さぁ、今夜は本を片手に、自家製のまこも茶で、ほっこりまったりと秋の夜長を楽しむとしましょう。