火鉢がある暮らし

火鉢を使って鉄瓶でお湯を湧かしているところ

朝夕の寒さを感じる頃になると、火鉢に炭を入れるのが我が家の毎年の習わしです。灰をふるって炭の燃え残りなどを取り除ききれいにします。炭を入れるところは凹ませて、炭の周りに空気が淀みなく循環するようにととのえます。小さな種火から大きな炭に火が移る頃には、鉄瓶のお湯もしゅんしゅんといい音を立て始めます。鉄瓶の蓋は必ず少しずらしておきます。沸騰しても吹きこぼれないためです。ここで吹きこぼれると大変!灰かぶりになってしまいます。灰かぶりになったことありますか?私は何度か。灰かぶりとは灰が舞い散って頭から灰だらけになることです。灰かぶり姫=シンデレラ=cenerentola(イタリア語)、cenereとは灰の意味。灰かぶりになると始末が厄介ですが、なんだか滑稽でおもわず笑ってしまう光景です。

炭が熾って真っ赤になると、何とも美しくただひたすら見入って何事も考えず、ぼーっとした時間を過ごせます。どうやらこのボーッが脳のリフレッシュにはいいらしいです。炭をついだり、位置をかえたりして火を見つめる、火鉢のおかげで冬の時を過ごすのが楽しみです。炭火があれば絶品トースト、おいしいお茶、ゆっくりとふっくら茹でた大納言小豆、うるめを焼いたり、とおいしい楽しみもいろいろ。

都会のマンション暮らしに、ほんわかと暖かい火鉢があるとエアコンや床暖の使用も控えめになるようです。写真の火鉢はもともと火鉢ではなく目高(めだか)や水草を入れるために作られたもののようです。火鉢でなくても「見立て」で楽しむこともできますよ。

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