ざるとボウルで育てる豆苗

ラバーゼのステンレスボウルセットで育てる豆苗。横に置いてあるのは買った時に色が薄かったトマト。

美味しそうな濃い赤色になるまで何日か窓辺に置きっぱなしにし、食べ頃になった豆苗と一緒にサラダにしました。豆苗って甘味があって、本当に美味しいですよね。

乾燥豆から育てる豆苗

イギリスに住んでいて感じることは、青菜の種類の少なさ。

青梗菜だけならば、ここ10年程で近所のスーパーマーケットで手に入るようになりましたが、小松菜、水菜、春菊のような青菜はほとんど売っていません。ほうれん草はありますが、ベビーリーフのような小さな小さな葉を摘んだサラダ用のものがほとんどで、束のほうれん草を食べたければインド系の食材屋に行くしかありません。豆苗ははるばるチャイナタウンまで行けば売っています…が、私は乾燥豆から育てています。ガーデンがなくても、ステンレスのボウルざるさえあれば窓辺で育つので、お手軽に、なんの気負いもなく育てられます。たびたび起こる「あぁ、青菜が食べたーい!」という日本人特有の発作はこれで解消しています。

水に浸けて茹でて食べる乾燥豆のグリーンピースは、こんなパッケージに入って英国中津々浦々、どこのスーパーマーケットでもとんでもない安価で手に入ります。250g入りのこの箱は一つ49ペンス。日本円にしてなんと75円です。この一箱で何度も何度も豆苗作りが楽しめます。

パッケージの中に何か入っている?とお気づきの方もいるかもしれません。これは重曹を固めたタブレットと目の細かいネットが入っています。説明書によると、この豆はこのタブレットを溶かした水に一晩漬けふやかして、ネットに入れて茹でる、と書いてあります。私はどちらも必要性を感じたことがないので使ったことがないのですが、昔ながらのMushy Peasは豆の形がなくなるまで潰していて、それには重曹で柔らかくしておくのが必須、という訳なのだそうです。(ちなみにこの重曹タブレット、排水溝の掃除に便利です!)

イギリスではみんなこの豆をどのように食べているかというと、ハムと一緒に煮込んでスープにしたり、バターをたっぷり溶かしてマッシュにしたものを料理に添えたりします。(下の写真のように)こんな風にパブで、フィッシュアンドチップスの付け合わせとして潰したグリーンピースがついてくるのも、よくみられる光景です。この写真はモダンなおしゃれパブご飯ですね。サラダやガーリックローストも付いていて、何よりMushy Peasが色鮮やかで粒の形が残っています!昔ながらのは離乳食みたいに柔らかく、色もグレーに近い感じです。(…不味いと言っているみたいですが、決してこれは批判ではなく、グズグズの豆をグレービーと一緒にローカル色漂うパブで食べると、それはそれで美味しいものなんです。)

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乾燥豆は安くて保存がききますが、私はスープに入れたり茹でて食べる時は、冷凍のグリーンピースを使っています。そのほうがやはり手軽で、プチッとした歯応えが美味しい!

乾燥豆の方は、私はもっぱら豆苗作りの為に買っています。周りでやっている人を見たことがないのですが、これは楽しくて美味しいのでオススメです。豆苗の豆は種屋さんで買うと割高なので、食材として買える生の乾燥豆を発芽させる方が良いと思います。日本でも北海道などで育った生の青えんどう豆を乾燥させたものが手に入るはず。

豆苗の育て方

ラバーゼ大のざるに乾燥豆を入れて軽く洗い、ボウルと重ねて豆が浸るくらいの水を入れます。豆が重ならないように入れてざるの足のリングの内側に収まるくらいの量がちょうどいいです。少ないように思えますが、一晩水に漬けると倍の大きさになりますし、育つと増えるので、あまり混み入らないほうがお世話しやすいのです。

割れていたり黒っぽく変色した豆は発芽しないので取り除きます。こういうのを放っておくと、育てている間に腐りかなりの匂いを放つので要注意です。豆って腐るとほんとうに臭い。栄養価が高いからかな。

プレートで蓋をして一晩寝かします。

翌日は軽く洗い、水を切って蓋をします。これを3日間、朝晩1日2回くりかえます。弱めの水流を使い、デリケートな発芽豆を傷つけないよう優しく扱います。この時なんか匂う?と感じたら、それは発芽できなかった豆が腐っている証拠。周りの豆を傷つけないようにお箸でそーっとダメになってしまった豆をつまみ上げ取り除きます。

発芽後3日目くらいまでずっと蓋をして日に当てないように育てますが、双葉が生えてきてからは蓋はもう必要ありません。黄色く育った芽は窓辺で日に当てるとすぐに綺麗な緑色になります。朝晩に軽く水通しして水を切って、という作業は続けます。葉っぱが育つと根からぐんぐん水を吸うので、干からびないようにボウルの底に豆が浸らない程度までうっすらと水を張っておきます。

収穫後、根っこは引っこ抜けばキレイにざるから取れます。ステンレスの網だと後片付けが本当にカンタンです。プラスチック製の容器を使うよりも清潔を保つのが楽ですし、見た目も断然気持ちが良いです。

緑豆もやしは5日目くらいから収穫できますが、豆苗は緑豆もやしよりも時間がかかり、10日目くらいでやっと収穫ができるほどに育ちます。収穫する際に一番下の葉が生えているところを残しその上だけ収穫すれば、もう一回育てることもできますが、栄養がなくなっているので育ちは遅く、再収穫まではさらに10日くらいはかかってしまうと思います。

気温30度を超えるような真夏では、豆苗の豆が腐りやすく失敗しやすいですが、これから秋になり、20度前後に気温が落ちてくると、豆苗が育ちやすい季節になりますね。我が家のようなそれほど日当たりの良いとはいえない窓辺でもよく育ちますし、直射日光は逆に避けた方が良いそうですよ。成長の様子を観察するのも楽しいです!乾燥青えんどう豆、常備にオススメです。

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