20年前、ラバーゼの開発が始まった時、真っ先に考えたのがボウルとザルでした。ボウルやザルは世の中にいっぱいありましたが、使いやすいものがなかったからです。
ボウルとザルは調理道具としてまずは欲しい、基本中の基本です。
labaseボウルの製法は?
「ヘラ絞り」という特殊技術で作られています。
金型に材料を入れ高速回転させながらヘラのような道具(棒)を押し当てて伸ばしながら形を作っていく、一つずつ職人さんの手で作る、という手間のかかる製法です。上からドンと型を抜く方が簡単で安上がりですが、これでは私が希望するボウルの形は作れません。
このヘラ絞り製法によって実現した、ラバーゼボウルを形(デザイン)とは?
実は、ボウル全体が同じ厚さではないのです。
ボウル底は少し厚みを持たせて安定よくしました。
サイドは厚さを薄くして重くならないようにしました。
縁は切りっぱなしでも手を切らないように丁寧に仕上げられています。
これは「ヘラ絞り」でなければできない技です。
こうして安定がよく使いやすい重さで(注:軽すぎるのもの使いにくいのです)誰が洗っても縁に汚れが残らない作りで、という要求を満たしたボウルが出来上がりました。
縁が切りっぱなしの訳は汚れが落としやすいからです。縁が巻き込んであると汚れが溝に溜まり不衛生になりますから。
ラバーゼのボウルは誰がどう洗ってもきれいになる、という寸法です。
ではラバーゼがこだわった工夫は?
ずばり「網」です。
ざるの網はどの生産者さんも使っていない「綾織」という網を使用しました。
綾織は「平織とは違い縦線横線が互いに2本づつ乗り越して上下に交差させていく」という大変手間のかかる織り方です。当然平織よりかなり高価になります。
では、なぜ綾織を使うのか?
一般的なザルは強度を保つためのワイヤーが交差して入って支えています、が汚れはこのワイヤーの内側に付着しやすく除去しにくいのです。だから補強のワイヤーを無しにすることにしたのです。そのためには網に強度が必要です。少々手荒に扱っても大丈夫な強さは綾織でないと得られない、という理由からです。綾織の網を使ったことで高価ではありますが美しく丈夫なざるができました。
ところで、ざるって水を切るためのものですよね。
綾織は水切りの良さも秀逸です。平織やパンチングのざるですと表面張力で網(または穴)に水の膜が張ってしまい、水切りがうまくできません。綾織は綾に折ってあるので水の膜がはりにくく、さっと水が流れ落ちます。ざるの縁は平たくした枠をぎゅーっと圧縮してあり、ゴミが入りにくい構造です。どこまでも使いやすい、汚れにくい、を追求したざるです。