台所の珍品たち

我が家の台所で日々活躍している、ちょっと変わった小物たちをご紹介しましょう。

一体何に使うの?と首を傾げられたり、他人にとっては一文の価値もないものかもしれません。

でも私にとってはもう2度と手に入れられないかもしれない、かけがいのない大切な「風変わり者」なのです。

真鍮のヘラ

今ではもうどこでも買えないラバーゼのまぼろしの銘品、「フレキシブルヘラ」(写真右側)の原型となった「真鍮のヘラ」がこちら(写真左側)。

40年ほど前、インドネシアの田舎で屋根も傾いた小屋の様にちんまりしたお店で、半分土に埋まった箱の中から取り出して買い求めたヘラ。一枚の金属を丁寧に打って先に行くほど薄くし、手元にはわずかに装飾を施した愛らしい形です。使ってみたらとても使い勝手が良く、子供のお弁当のつくねなどひっくり返すのに必ず使っていました。

先に行くほど薄い、これが使いやすさの秘密。これをラバーゼのフレキシブルヘラに応用しました。

このラバーゼフレキシブルヘラ、余りに製作費が嵩むのが理由で生産中止になり、在庫がなくなる頃はちょっとした争奪戦でした。買えなくて困った!という声もよく寄せられるので、またぜひとも手を尽くして復活させたいと思っています。

木槌

アメリカのアンティークショップで購入した木槌。朽ち加減がもう200年くらいは経っていそうです。台所で何に使うかって?

大豆で打ち豆を作り、肉類を優しく薄く叩き伸ばす、硬いものを切るときに包丁の背を打って切り込みを入れる等々、出番が多いです。今にも壊れそうなので力を加減しなくてはなりません。多分うちの台所で最後まで頑張ってくれるでしょう。

小さな網

四川の市場で買った火鍋用の網。いかにも手作りで10本あるものが全て形が少しづつ違います。我が家で火鍋をするわけではないのですが、私にとってはなくてはならない火鉢の掃除道具です。火鉢の灰を掃除するのに毎日の様に使います。炭火が消えて冷えると灰の小さな塊や燃え残りなどが出ます。この塊を放っておくと見た目にも美しくないので振るってきれいにするのにうってつけなのがこの火鍋用網。細かすぎず大きすぎず絶妙な網目で取手がついているのがありがたい。

木のフォーク

南イタリアを旅行中の折、給油しようとガソリンスタンドに立ち寄りました。あろうことか軽油と普通のガソリンを間違えて入れられてしまったという日本だったら有り得ない珍事が…。そうとは知らず、ガソリンスタンドを出発して間もなく、路端で手作りの道具を売っているところに立ち寄った際この木製フォークを買いました。

その直後に車は動かなくなり、そのあと半日は散々な目にあったことは今でも記憶に新しいです。そんな曰く付きの旅のお土産です。

この特大のフォークが使いやすいんです。パスタを鍋から取りあげるときに使います。荒けずりの木なのでパスタが引っかかってたくさんのパスタを一度にうまい具合にすくい上げられます。

南イタリア風のパスタはこれで作ると気分も盛り上がります。

石っころ

河原で拾った石たち。使い道は重石です。

浅漬け作りの時はもちろん、ちょっと重さが足りない時にほど良い重さの石を選べば、うまい具合に重さの調節ができます。なるべく平らでいろいろな大きさの石を拾ってきます。本当はもと居た河原に返した方がいいのかな、と思いつつ使っています。入れ物の錆びた金属ワイヤーのかごはおそらく卵入れかと思います。かごの方はいつどこで手に入れたか全く記憶がありません。昔から卵ならぬ石が収まっています。

根曲り竹の泡たて

信州のお土産やさんで買ったもの。

竹なので和の器の中でタレなどを混ぜるのに重宝しています。金属製とはちがい、器が陶器でも傷がつかず、なかなかいいものです。軽くて手触りもいいし、竹製というところが気に入っています。

どこのお宅にも一つや二つ、そこの家ならではの台所道具があるでしょうね。珍品自慢したい方、ぜひお知らせください。

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