有元にインタビュー
”夏”

夏日、真夏日、猛暑、酷暑・・・この十数年間で、日本の夏の常識が変わった気がします。

季節を問わず、いつも健康で元気に仕事をこなしている有元は、この暑さをどのように乗り切っているのでしょうか?猛暑続きの夏の過ごし方を聞いてみました。

こう暑いと食欲が落ちたりしますが、日々の食事はどうしてますか? 

有元:特に気をつける、というわけではありませんが、外食は滅多にせず食事は自分で作るのが当たり前の毎日です。お酒は好きですが、ゆっくりとできる時にごくたまに少量たしなむ程度。
食事の内容は頭で考えて健康的と思われる食事をとるということはせず、『自然に食べたくなる物を作って食べる』のが日常です。


写真はヒレカツが食べたかった日のお膳です。

こうしていると結果バランスが取れているのが面白いな、と思います。一度にそうたくさんの種類を食べられるわけではありませんので、2〜3日とか3〜4日で全体でバランスが取れていれば良いと考えていますし実際に自然とそうなります。面白いものですね。

朝は食べたいものを食べる。
この日はさつまいものオリーブオイル焼きに胡椒をたっぷり。

ソーセージの焼いたものと大根と大根葉の塩もみ。
お皿とカップは孫の作品、私のお気に入りです。

スタッフ:『好きな物を取り入れる』それが元気の源なのですね。自分の感覚を研ぎ澄ませてないとダメですねえ・・・

食生活で気をつけていることありますか?  

有元:気をつけている、といえば調味料は気に入った物でないと料理の味が決まらないので、オイル、醤油、味噌、味醂、酢、砂糖、塩などの基本調味料は常に欠かさず保存しています。あとはお茶もそうですね。気に入りのものが切れたりすると大変です。いってみれば好きな物を好きなだけ、というのが基本です。

スタッフ:以前、教わった『調味料は自分で味見して美味しいと思った物を使う』ということを実践していたら、加工品や手軽な調味料などを買わなくなりました。

   

   

子供の頃から変わらず行っている習慣はありますか?

有元:習慣と言っていいかどうかは?ですが、寝室をきちんと整えること、でしょうか。
写真はイタリアの家の寝室です。寝室にはベッドだけがあればよく、他のものは置いていません。

私自身は覚えていませんが、夜中にでもシーツに皺がよるとピッと敷き直していた変わった子だ、と言われていました。寝る場所というのは私にとっては大切で、スルッと気持ちよく眠りに入れる居心地の良い場所で、真っ暗な空間が好きです。

そういえば子供の頃は夏といえば蚊帳(かや)の中でしたね。

スタッフ:蚊帳ありましたねえ・・・懐かしいです!寝る時に蚊帳の裾をパサパサと振って少しだけ持ち上げ、身をかがめて素早く中に入るのですよね!(読者の中で知ってる方は?・・・)

「夏の食卓にはこれ」という有元さんの夏の定番レシピはありますか?

有元:夏といえばきゅうり、茄子、トマト、ですよね。
きゅうりとナスは糠漬け必須。
茄子は油と相性良しなのでさっと素揚げにして 出汁浸しに、
茄子とトマトのパスタも美味しいし、焼きナスもいいですね、、、
と数えたらキリがありませんね。

ゴーヤも夏野菜の代表ですね。私はゴーヤの中の白いところをできるだけ削ぎ取って極薄切りにし氷水で締めてシャリッとさせ、新生姜や香菜と共にヌクマムとライム唐辛子を効かせた辛いタレで食べます。美味しいですよ!

トマトは夏の終わりに道の駅などに出る真っ赤で実が詰まってどっしりと重いトマトが大好きです。美味しい塩だけでガブリとかぶりつくのが一番です。玉ねぎのみじん切りをたっぷり入れた酢油ドレッシングをかけるのも美味。オイルとビネガーではなく酢油というのがなんだか美味しいのです。

どちらにしてもあまり手をかけないシンプルな食べ方が一番ですね。

有元:道の駅といえば・・・
先日、道の駅で買った花束です。
山の家はモノトーンなので、こんな色合いの花も美しく見えます。

イタリアの家での夏はどんな感じですか?

有元:イタリアの夏、と言うとなんだか青空と青い海のバカンスを思い浮かべるでしょう。しかし内陸部、例えばトスカーナやウンブリアは日中は30度以上優に上回り日本と変わらぬ暑さですが湿気がないので呼吸をすると喉の奥まで干からびる感じです。皮膚はパリパリになります。暑くて乾燥しているので山火事もあちこちで発生します。

内陸部で人々が活動するのは朝と夕方以降だけ。田舎町の昼間は人っこ一人いない死んだ町になります。夕方になるとゾロゾロと人が町に繰り出してきますよ。日本では見られない面白い光景です。
内陸の人々は海辺にバカンスに、海辺の風に吹かれるためにいきます。

スタッフ:暑くても湿度が低いヨーロッパの夏に憧れてましたけど、それはそれで苦痛なこともあるのですね。海辺リゾートの習慣がある理由がよく分かります。

そういえば、夏休みにイタリアの家には行かないのですか?

有元:自然の多いところでは”パパタッチ”という7、8ミリくらいの小さい虻(あぶ)の一種が出ます。夕方人の目が見えにくくなる頃から出てきて人を刺します。透明なので暗い時分に出てくると全く姿が見えないのが厄介です。(あの”パパラッチ”と語源が同じなのかどうかは知りませんが・・・)
私は60箇所くらい刺されて熱を出し予定を早めて帰国したことがあり、それ以来夏は行かないことにしています。指を1箇所刺されただけで熱が出てお尻にペニシリンを打たれた友達もいます。
パパタッチが怖くて夏はイタリアに行かないという外国人はたくさんいます。

日本ではあまり知られていないイタリアの夏事情です。

スタッフ:初めて聞きました”パパタッチ” 怖いです。ネット検索ではあまり見かけませんが、イタリア在住外国人の間ではよく聞く話だそうです。
秋になったら、オリーブの出来具合を楽しみにしています。

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