禍転じて福と為せる? コロナ渦のプラス思考

コロナ渦で「良かった」ことってありますか?

当方イギリス在住。新型コロナで亡くなった方は6万人を超えると予測されるなど、日本と比べると被害は甚大です。が、もうさすがに辟易とした感があり、自分から追って最新のニュースや被害状況を調べることもない今日この頃。

この半年ほど、大変だったこと、我慢しなければならなかったこと、

みなさんも数えきれないほどあると思いますが、きょうはコロナ渦で考えさせれたこと、よかったことだけを考えてみます。すると、4つのことが浮かび上がってきました。

よかったこと1: 我が家では圧倒的にゴミが減りました!

どれくらい減ったかというと、以前は一週間で出る可燃ゴミが45リットル袋にパンパンだったのが、レジ袋一つに収まる量になりました。だいたい3分の1くらいに減った計算です。

ゴミが減った主な理由はこの3つ。

1、(そもそもお店が開いておらず)無駄なものを一切買わなくなった

2、なんでも1から作って料理するようになった

3、なるべく直で買える食材調達ルートをたくさん見つけたので、食材の包装がとにかく簡素になった

これで以前チャレンジして失敗に終わった「発泡スチロール箱コンポスト」が今も稼働していれば、もっとゴミを減らせたはず!また挑戦してみます。

上記3つにプラスで、ご近所になんでも量り売りをしてくれるお店が出来たことで、細かなプラスチックゴミがかなり軽減。

よかったこと2: イギリス人が料理をするようになった!

コロナ渦ではレストランは長い間営業停止になっていました。
テイクアウト(お持ち帰り)はオーケーだったので、食ビジネルの要はそこへ集中。

イギリスでは、コロナ渦の初期に”ready meals“(レディミール/出来合い食品)といわれる、いわゆるチンだけ、オーブンで温めるだけの便利な食べ物がお店の棚から姿を消しました。

「昨晩、妻のために料理したよ」=「レディミールの封を切ってオーブンに入れた」
が笑える冗談なんかではなく、この国では割とフツーのこと。

飲食業は一斉に休業を強いられ外食は一切できない中、料理をしない人は電子レンジでチン、オーブンに入れるだけでできる過剰にパッケージされた食品を買い漁る他ありません。

朝から何時間もお店に並びたくないほとんどの人は、出来合いのものに頼らず料理することを強いられました。

英語ではこれを” cooking from scratch”といい、これが一番安上がり、しかも美味しい、ということはもちろん誰もが知っていますが、時間がないので料理をする人はごく少数でした。

コロナ禍でその「時間がない」という一番の理由がなくなり、家族と一緒に楽しめる娯楽としても、生活の中での料理がなにより大事なものとなりました。

こどもと一緒に料理をする機会が増えました。家庭科だけでなく、科学の知識にも役立つこといっぱい!

料理の You Tube / Instagram 配信が空前のブームとなり、お菓子作りやパン作りが大流行したおかげで、小麦粉はどこも売り切れ。

営業できないレストランが小麦粉を放出して売り始めた!という情報は、いち早くご近所ネットワークでシェアされました。

年配のご近所さんの家にマルチシード入りの全粒強力粉を差し上げたら、値段は非常に安いもの(百円ちょっと)なのですが、一ヶ月以上ずっと欲しかったけれど手に入らなかったの、と喜んで頂けました。

心配なことが多い中いろいろな場面で、何作った、あれ食べたなど、食べ物の話題で盛り上がれるというは小さな幸せでした。お菓子作りやパン作りに目覚めた人が急増したので、日本にも大人気番組の”The Great British Bake Off” はより出演希望者が増え、今後さらに面白くなるはずなので期待できますね!

よかったこと3:環境汚染が一時的にでも止まった。

ポイ捨てが日本と比べ物にならないくらい多いイギリス都市部

コロナ渦で都市の空気がきれいになった、水路がきれいになった、動物たちが戻ってきたと、まるで地球が息を吹きかえしているかのような映像やニュースを見聞きして、あぁ人間でゴメンなさい!という反省の念が湧きました。

身をもって考えさせられたなぁと思ったのが、いわゆる「便利な生活」というのは

いかにゴミを生み、自然を汚すかということ。

ふと調べてみたら、「便利」ということばには

仏教用語で「お通じ」「排泄」という意味があるんですって。

滞りなくスルッと排出。

確かに「便利」なイメージ。

便利な世界では

喉が渇いた。→ 近くのコンビニや自販機でポンとお水を買う。ペットボトルを捨てる。

お腹がすいた。→ 手軽に食べられるものを買う。たくさんのプラ&紙ゴミを捨てる。

それはもう容易に排出するゴミが出てしまいますね。

ふうむ、これが便利の正体だったのか。

便利な生活が生み出すものって?

流通バンザイ!ですが、探りたい「ちょうどいい」バランス。

「便利さ」を全力で追い求めた飲食業界では、たくさんの包装資材のゴミの他、たくさんの食料廃棄物がでます。

封も開けられず捨てられる加工食品、時間切れで廃棄される調理済みのファストフード。など。

外食も出来なかったコロナ渦中では、事業でも家庭でも、こういうゴミがスッパリと無くなったのではないでしょうか。

もちろん飲食業界の活発な経済活動というのも大事なことなので、便利さへの需要は押さえつつ、環境問題にも取り組める「バランス」が大切になりますね。

コロナ渦の良いニュースとして食品廃棄率が減った、と報じていた記事も目にしました。が、しかし食品ロス問題(フードロス)解決のレベルにはまだまだ届かず。

自分で料理する人が増える、ということからもう一歩、二歩と踏み込まないとダメみたい。とりあえず自炊という最初の一歩を踏めた人が多いので、これからが本番ですね!

フードロスの大きな問題というのは、生産された食品が流通にのる前の段階で、形状などが規格外、生産過多で行き場がないなどの理由で廃棄されているという問題です。

食べ物を粗末にしてはいけません、と誰もが小さい時から教えられてきたのに、せっかく育った農産物が流通にのることもなく廃棄されるなんて信じられない…

さらにショックなのは、その廃棄量が生産量の4割という数字もでているということ。悲しいかな、食べ残しなどの廃棄は食卓に上がっただけまだマシなのでは?と思えてくる現実です。

食べられる農産物を廃棄する生産者さん側も、不本意で仕方がなくやっていることでしょうし、こういうあまりにもったいない食べ物の無駄はどうしたらなくなるのでしょうか?

今こそ考えたい、フードロス問題!

コロナ渦の初めの時期は、便利な食品やトイレットペーパーだけでなく、新鮮な野菜や果物も品薄になっていました。

ただこれは流通の問題で、外食産業がストップしていたので、いままでそちらに卸していた分を一般にまわすように、物資をスーパーマーケットへとうまく回せなかったことに起因していました。

我が家はラッキーなことに ”Oddbox” という野菜果物の宅配サービスを一年以上前から毎週定期購入していたので助かりました。どこの宅配サービスも、深刻な人手不足、在庫不足で新規の客には手が回せない状態だったので、もともと車も持たず宅配に頼っていた私のような人間は、気合を入れて買い物に出かける機会を極力減らすことができて幸運でした。

Oddbox(オドボックス)とは?

様々な理由で廃棄処分になる野菜や果物を集め、詰め合わせにして週一回配達してくれるサブスクリプション型宅配サービス。

Oddboxのある週の内容はこんな感じ。
ミディアムサイズの箱一つでこんなにたくさん!値段は送料込みで2,400円くらい。

この写真みると美味しそうな野菜や果物にしか見えず、なぜ廃棄される運命なのかわかりませんよね?

廃棄処分の理由はこうです。

  • 形が歪つ/サイズが規格外(大きすぎ小さすぎ)
  • 余剰生産
  • 表面の傷、斑点

アボカドは小さいな、と写真でもわかりますが、総じて納得いかない理由です。あるとき桃が「普通より毛深い」というナゾな理由でOddboxに入っていたこともありました。odd は「変な/風変わりな」という意味ですが、ちょっと毛深いからってodd扱いされるなんて傷付くよね…と、同情の気持ちすら湧きました。

このように不当な理由で廃棄処分される農産物は全体の生産量の3割、4割と予想をはるかに上回る多さです。

私はこの宅配サービスを見つけてすぐ飛びついたのですが、ときどき見たこともないような野菜が入っていることもあり、毎週何がくるかな?と楽しみです。

同封されてくるA4一枚のOddbox便りが秀逸で、それぞれの野菜、果物の廃棄の理由と、スタッフの楽しい文章(時にダジャレ満載)、レシピも読み応えがあり、大ファン!

このサービスを始めたきっかけについてOddbox経営者はインタビューでこう答えています。

” 旅行先のポルトガルの市場で色々な形の味の濃い野菜や果物に出会い、イギリスではどうしてどの野菜もどれも画一的にで完璧な形をしているのに味が薄いのはどうして?と疑問に思いました。調べてみたら、そういった野菜は英国では「規格外」として廃棄されてしまうということを知りました。捨てられる野菜は、完全に食べられるもので、形の良いものよりも味は美味しいとおもうこともありました。この無駄をどうにかしたいと思い、英国でOddboxという野菜/果物の宅配サービスを始めました。

こういうサービス、日本でもあるのでしょうか?もしまだならば、起業家さんにぜひ取り組んで欲しいですね。

Oddboxに入っていた野菜で、こどもが料理をつくってみたら

この前届いたボックスには、紫のじゃがいもが入っていました。日本では「シャドークイーン」という物語の主人公のような素敵な名前がついていますね。長細い形で真っ黒の土まみれで届いたので一体何芋なのかわからず、まずは調べるところから調理が始まります。娘もいっしょに調べたので、娘の「マイ探究」の課題として、めずらしい野菜を調理する過程をムービー編集もiPhoneで楽しんで取り組んでくれました。

よかったこと4: 学ぶ楽しみに親子でどっぷり浸かれたこと

友人にたまたまタイミングよく教えてもらえたのですが、「探究学舎」というところが

休校で困っている家庭に向けて、オンライン学習サービスに力を入れて様々なコンテンツ発信を始めた”

と聞き、それ以来子供たちと「元素編」「科学技術史編」と続けて受講しています。

探究学舎のホームページをみてみると、

成績アップも合格も目指していません。その代わり「もっと知りたい!」「やってみたい!」という驚きと感動の種をまき、探究心に火をつけています。宇宙・生命・元素・医療・数学・経済・歴史・芸術・IT、様々な分野の驚きと感動に出会える興味開発型の教室、それが探究学舎です。

とあります。私は子育てする中で、(自身が中学受験で失敗していることもあり)受験の成功体験云々とは関係なく、子供たちに学ぶ楽しさを一番に伝えたいと日頃から思っていたので、ピンときてすぐに受講を決めました。

ここもコロナ渦きっかけで、 探究学舎のYouTubeチャンネル に無料で見れる優良コンテンツがたくさん載るようになりました。大人も子供も楽しめてどれも興味深い内容です。ぜひ視聴してみてください。

先ほどの経済活動と環境保護のバランスの話や、Oddboxという新しいサービスの話に通ずる話なのですが、「サーキュラーエコノミー」の大切さを子供にもわかりやすく学べる探究学舎の動画の箇所がこちら。(これは本当はシリーズものなので第一部から見ることをお勧めします)

「サーキュラーエコノミー」というと、海外発祥の新しい取り組みのように聞こえますが、「本当は日本は江戸時代からやっていたことなんだよ。」とも教えてくれます。江戸時代は平和が200年以上も続いた世界でも稀有な時代で文明的にもかなり高みに届いていたはず。近代・現代文明の波にもみくちゃになりながら忘れてしまった先人の知恵、振り返って見直したい、と思いました。

探究学舎では9月から二ヶ月間「食編」をテーマにたっぷりと探究していくそうです。いち母としても、生きとし生ける人間としても、一番興味ある分野なので今から親子で受講が楽しみです!

みなさまの体験もぜひシェアして欲しいですね!

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