こんにちは。暖かい日差しが気持ち良いこのごろ、いかがお過ごしでしょうか。
私は、5月の有元葉子先生の新刊書籍『レシピ以前に知っておきたい 今さら聞けない料理のこつ』(大和書房刊)の編集を担当した八木と申します。
突然ですが、みなさま、蒸し料理は作っていらっしゃいますでしょうか?
美味しいし、ヘルシーだし、蒸し料理がいいとわかってはいるのだけれど、我が家には蒸し器がない……。そんな方々もいらっしゃるかと思います。
そんな方々に、ぜひお試しいただきたい方法があります。
それは、家にある鍋と、ラバーゼのざるを利用して蒸し料理を作ること!
かくいう私の家にも、蒸し器がありませんでした。でも、有元先生から教わったこの方法を試して以来、すっかり蒸し料理が我が家の定番になりました。なにしろ、とっても手軽なのです。洗い物も最小限。驚くほど簡単においしくできます。
まず試していただきたいのは、鶏の胸肉を蒸すことです。

用意する道具は、蓋のしっかる閉まる鍋と、鍋より一回り小さなサイズの丸ざる、そしてプレート(平皿でもOK)です。
鶏の胸肉は、塩をふってプレートにのせ、日本酒を多めにふりかけておきます。
鍋の中に丸ざるを入れ、底から5cmほどの深さまで水を注ぎます。鍋の蓋をして火にかけ、蒸気が上がったら、胸肉のプレートを、鍋の中のざるの上にのせます。このとき、蒸気でやけどしないように注意して。
「蒸す」という調理法は、ゆでたり炒めたりするよりも素材に早く火が通る調理法です。つまり、それほど蒸気には熱量があるということ。我が家の鍋は深さがあるので、プレートの端をトングでギュッとつかんで、もう一方を手で支えながら慎重に入れています。
蓋をして5〜10分ほど蒸します。蒸し過ぎると鶏肉が縮んでかたくなってしまうので、触って弾力を感じたら火を止めます。そしてそのままほったらかしに。冷めるまで置いておけば、ふっくらとやわらかい蒸し鶏の出来上がり。
蒸し汁に浸けたまま置いておくことで、しっとりとします。
こうして蒸した胸肉は、あるととても助かるおかずです。

手で食べやすい大きさにさいて、ザーサイとねぎの細切りと一緒にごま油で和えると、箸が止まらないほど美味しい一品に!
きゅうりや香菜と和えたり、冷やし中華の具にしたり、パスタに入れたり、本当にいろいろと使えます。
私は胸肉のほか、ささみで作ることもあります。
蒸し汁で美味しいスープができるのも嬉しいところです。蒸し汁は冷凍しておき、量がある程度たまったら、蒸し鶏とねぎ、溶き卵などを加えてスープにしています。前日の夜にスープを解凍しておき、朝に飲むのがお楽しみです。
鍋とざるで作る蒸し料理は、朝にもおすすめです。

浅ざるに、野菜、卵、パンなどを入れて蒸せば・・・

蓋をして5分蒸せば出来上がり。(p.229より/ 撮影:三木麻奈)
5分ほどでバランスのよい朝ごはんができます。冷凍庫に保存していたパンは、凍ったまま入れて大丈夫。パンを蒸すと、ふっくらモチモチになり、焼くのとはまた違う美味しさになります。
『レシピ以前に知っておきたい 今さら聞けない料理のこつ』では、

(大和書房刊、1500円+税)
こんな蒸し料理のほかにも、普段のごはん作りに役立つ、さまざまな知恵を紹介しています。
今さら聞けない、けれど気になる、という85の素朴な疑問に答えています。毎日の料理がラクに楽しくなるコツがたくさん詰まっていますので、ぜひお読みいただけると嬉しいです。